Skip to content

走査型電子顕微鏡(SEM)と研磨検査について

走査型電子顕微鏡(SEM)とは

走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope: SEM)は電子線を観察試料表面へ照射することにより、試料表面の凹凸形状をナノ(nm)∼マイクロ(μm)(※)サイズで観察することができる顕微鏡です。

 

  • ※ マイクロメートル(μm)はミリメートルの千分の一の大きさ
  • ※ ナノメートル(nm)は μmの千分の一の大きさ

 

SEMは入射電子線を試料表面上に走査させ、試料から放出される電子を検出します。このとき試料から放出される電子は「反射電子」「2次電子」の2種類あります。

 

  1. 反射電子 主に試料の組成を確認することに長けています
  2. 2次電子 主に試料表面の微細な凹凸像を得ることができます

 

これらの2つの観察像を使い分けることで、より精密な表面情報を得ることができます。 ただし、SEMでは導電性の低い試料(光学ガラス、 布など)は観察の際にチャージアップ(観察像に凹凸がなくなったり、観察画面がホワイトアウトする現象)してしまう可能性があります。そのため、観察の際は導電性のあるカーボンテープやカーボンペーストを用いて試料を固定する必要があります。

X線分析とは

SEMにおける代表的な機能の一つにEDX分析があります。

EDX(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)はエネルギー分散型蛍光X線分光法と呼ばれる分析手法です。SEMにX線検出器とアナライザーを取り付けることで観察面のX線分析を行うことができます。

EDX分析

EDX分析では、試料表面を構成する原子の原子殻に電子線をぶつけることで発生したエネルギー(特性X線)を検出します。この時発生する特性X線の波長は原子ごとに固有であるため、原子を特定することができます。また、原子の定性のほかに、定量を行うことが可能です。どの原子がどの程度試料に含まれるのかを分析することができます。

EDX分析の注意点

EDX分析を行うことで様々な原子を検出することが可能となりますが、化合物を分析する際は注意が必要です。例えば酸化銅(分子式:CuO)をEDX分析した際にはCu(銅)原子とO(酸素)原子の両方が検出されることになります。そのため、未知の試料を分析する場合は検出された特性X線から自身で判断して試料を考察および定性する必要があります。

ニットーのEDX分析

ニットーでは研磨加工した基板に何らかの汚れ等の異常が発生した場合、EDX分析を利用して異常の正体および原因の調査を行っています。精密な分析を行うことで研磨加工品の高品質維持や品質向上が可能となります。 

SEMと研磨検査のまとめ

SEMは精密分析機器の一種であり、試料表面の観察や分析に長けています。 ニットーでは様々な材料について精密な分析を行うことができます。分析関係でお困りの際は是非ご連絡ください。

 

ニットーに相談する

 

ダウンロード資料をご活用ください

こんなお困りごとを抱えている方におすすめの資料です。

・高い精度の表面が求められている
・検討している素材に対して、研磨ができるか調査している

お手元に置いていただき、社内共有にもぜひお役立てください。