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窒化ケイ素の平面研磨

目次

  • 窒化ケイ素とは
  • 窒化ケイ素の用途
  • 窒化ケイ素研磨の課題と当社の研磨方法
  • まとめ

窒化ケイ素とは

窒化ケイ素(Si₃N₄)は、ケイ素と窒素からなるファインセラミックスです。高温でも高い強度を保ち、急激な温度変化に耐える優れた耐熱性、摩擦に強い耐摩耗性に加え、酸・アルカリにも耐える耐食性を持っています。

これらの特性から、自動車部品、半導体製造装置、金属溶融炉、粉砕機部品など、熱のかかる過酷な環境で使われる部品に幅広く利用されています。

窒化ケイ素の用途

熱機関部品:自動車エンジン部品、ガスタービン部品など

機械部品:ベアリング、切削工具、シャフト、軸受けなど

半導体・電子部品:パワー半導体用基板、高信頼性が必要な電子部品、絶縁材料など

産業用部品:溶解金属鋳造・鋼材製造プロセスの部品、粉砕機部品、耐熱容器、セッターなど

自動車関連:ターボチャージャーのローター、ピストンリングなど

航空宇宙分野:ガスタービンブレード、高温構造部品など

耐食性部品:溶融アルミニウムなどの溶融金属を取り扱う部品など

燃料電池・バッテリー関連:燃料電池やバッテリー部品など

 窒化ケイ素研磨の課題と研磨方法

窒化ケイ素は高い強度、硬度、耐摩耗性を持つ一方で脆弱な側面も持ち合わせております。

そこで、機械的に加工圧力を上げて加工をすると表面にクラックが発生し易く、最悪そのクラックを起点として割れてしまいます。その為、単純に機械特性に頼る研磨だけでは加工が難しいです。

一方で、化学特性に頼る減量(エッチングなど)に於いても、窒化ケイ素は化学耐性に優れた材料であるため、化学的なアプローチだけでは加工が非常に困難となります。

その中で当社では「メカニカル要素(機械特性)」と「ケミカル要素(化学特性)」の長所を組み合わせた CMP研磨(Chemical Mechanical Polishing)を行う事で、窒化ケイ素に対する研磨課題を克服しております。

参考:セラミックス研磨とは

CMP研磨(化学的機械研磨)とは

 

また、高硬度の窒化ケイ素を加工するためには、粗い研磨砥粒を使用する必要がございます。お客様より表面粗さの指定が無ければ粗い砥粒のみの加工で終えることができますが、指定がある場合は多段階(粗い砥粒から段々と細かい砥粒に変更する)での加工が必要となります。

多段階での加工を実現させるには、以下いずれかの選択となります。

①都度マシンを大規模なクリーニングを行った後に切り替える

②マシンそのものを別に準備する。

 

①ではクリーニングに大きな手間が掛かる上、確実にコンタミを防げる補償も難しく、品質の担保が出来ないことが殆どです。その為②が確実性の高い加工方法となるのですが、その分必要となるマシンが増え、装置台数が少ない場合には選択できない方法となります。

当社の場合は、特徴の1つとして謳っております、大小さまざまな両面加工機を多数保有しておりますため、②の選択が他社と比べ容易となります。必要に応じた砥粒の大きさごとに加工機を用立てられるので、短納期・コスト削減に繋げられる可能性が高まります。

参考:研磨加工の保有設備一覧

まとめ

当社では窒化ケイ素をはじめとして、様々な寸法、表面性状のセラミックス研磨の対応が可能です。これまで培ってきたノウハウを基に数ある「研磨剤」×「研磨パッド」×「加工条件」の組合せから、お客様が求める品質を追求致します。

試作からも承りますので、「この素材の研磨ができるかどうかも分からない…」「セラミックス研磨の性状・品質で困っている」などでお困りの企業様はぜひお気軽にご相談ください 

資料ダウンロード:〜〜のノウハウ資料

こんなお困りごとを抱えている方におすすめの資料です。

・高い精度の表面が求められている
・検討している素材に対して、研磨ができるか調査している

お手元に置いていただき、社内共有にもぜひお役立てください。