石英ガラス研磨とは

石英ガラスとは

石英ガラスとは珪素を原料としたガラスの一種です。照明用、光学用、理化学用、半導体工業用液晶用、光ファイバ用など用途は多岐にわたります。このページでは石英ガラスの種類、研磨方法について説明します。また、1オングストロームの研磨精度で量産体制の大型ガラス基板も対応するニットーの研磨能力についてもご説明します。

石英ガラスの研磨特長

• 透光性が良い
• 耐熱性が良い
• 耐薬品性が良い
• 不純物が少ない　など

石英ガラスの研磨用途

• 照明用
• 光学用
• 理化学用
• 半導体工業用
• 液晶用
• 光ファイバ用　など

多岐にわたります。

石英ガラスの種類

石英ガラスには大きく分けて「溶融石英」「合成石英」の2種類があります。

溶融石英

天然の石英を使用したものが溶融石英です。天然の石英（水晶）を溶融・製錬して製造された石英ガラスを指します。

合成石英

超高純度の四酸化珪素を原料として、化学的に合成したものが合成石英です。合成石英は溶融石英よりもさらに高純度であり、溶融石英は99.9％以上の純度に対して、合成石英は99.99%以上とさらに高純度なのが特徴です。

石英ガラス研磨の原理

石英ガラスは、他の硝子素材に比べて非常に硬く、その特性から一般的なガラスよりも研磨が難しい材料です。石英ガラス研磨の原理は酸化物やダイヤモンドなど粒子を含んだ研磨材を使用して、回転盤（研磨機）などで表面に摩擦を生じさせ、表面の削り取りや平坦性を向上させます。

石英ガラス研磨の手順

石英ガラス研磨の平面研磨の手順について説明します。一般的に粗加工（ラッピング）を行い、鏡面加工（ポリシング）を行います。また、その前後で洗浄、検査も行います。

1. 受入検査平面度
2. 平行度測定
3. 粗加工（ラッピング）
4. 平面度
5. 平行度測定鏡面加工（ポリシング）
6. 洗浄平面度
7. 平行度測定
8. 最終検査

1　受入検査

石英ガラスの全体の割れ、表面のキズ、端面部のカケ、チッピング（細かいカケ）、クラック（亀裂やひび割れ）がないか確認を行います。 また、石英ガラスの厚みを確認して、粗加工、鏡面加工仕上げの厚みを決めます。

2　平面度・平行度測定

石英材料の平面度、平行度を非接触式の測定機で測定を行います。

3　粗加工（ラッピング）

石英ガラス表面を粗削りして、厚みを薄くすると共に材料にあるうねりや凹凸、ソリを矯正します。

4　平面度・平行度測定

粗加工による平面度、平行度の変化を非接触式の測定機で測定を行い、お客様が求める規格を満たしているか確認を行います。

5　鏡面加工（ポリシング）

粗加工での表面ダメージを除去して、お客様が求める表面状態（表面粗さ、キズの許容）、厚みに揃えます。 ニットーでは複数の研磨パッド、研磨剤の組合せにより多段階の鏡面加工を実施します。

6　洗浄

加工時についた研磨剤や汚れ、埃などを擦り洗浄など、物理的に除去することに加え、酸性、アルカリ性の溶剤を使用して化学的に除去も行います。

7　平面度・平行度測定

鏡面加工による平面度、平行度の変化を非接触式の測定機で測定を行い、お客様が求める規格を満たしているか確認を行います。

8　最終検査

特殊な光をあて、石英ガラス表面のキズやカケなどの欠陥がないか確認を行いお客様の要求（仕様）に合わせて、合否判定を行います。

石英ガラスの研磨用途（例）

フォトマスクに使用される石英ガラス

石英ガラスはフォトマスクとしても使用されることがあります。フォトマスクとはシリコンウエハー（基板）に回路を転写する際に用いられる材料の一種です。パソコンやスマートフォンをはじめ、コンピューター入りの電化製品すべてで「頭脳」として機能している半導体集積回路を製造するうえで不可欠なものとなっています。

限りなく平面に近い表面が求められるフォトマスク

フォトマスクには回路パターンが描かれており、光による転写と化学変化を利用して、基板に回路を描きます。フォトマスクはいわば回路のネガフィルムにあたるものです。基板上に精細なパターンを生成するためには、フォトマスクは限りなく平面に近い表面加工がなされていなければなりません。

フォトマスクのパターン幅は数十ナノメートル。この微細なパターンが、きちんと転写されず、途切れたり、ゆがんだりするなどの不備があるとデバイスそのものの性能に影響を与えます。例えば、フォトマスクの表面が傾斜していたり、でこぼこだったら、回路図のパターンが途切れたり歪んだりして、基板に高精細なパターンを転写することができなくなってしまいます。

石英ガラス研磨の実績例

実績1　表目粗さRa:1nm以下の研磨

実績2　平面度、平行度について1桁μmでの量産加工

（※サイズによる）

石英ガラス研磨のまとめ

ニットーの研磨精度は1オングストローム

石英ガラスの用途は照明用、光学用、理化学用、半導体工業用、液晶用、光ファイバ用など多岐にわたります。ニットーはその中でも極限ともいえる平面度、平行度が求められるものに対して研磨が可能です。当社の研磨精度は1オングストローム。この精度を量産体制の大型ガラス基板に対しても出すことができます。

研磨はもちろん、切断・面取り、異素材対応、試作等の多品種少量など、さまざまな対応が可能です。石英加工においてはサイズにより難易度が異なりますので、平面度、平行度、高精細化にお困りの企業様はぜひお気軽にご相談ください。

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